第11章 毒ある慈愛の飼育
お願いして抜けさせてもらった休憩の時間。
が向かったのは、幼馴染たちが心血を注いできたステージだった。
人混みの隙間からステージを見上げた瞬間、視界が鮮やかに弾けた。
暗転した会場に響き渡る、地を這うような重低音。
爆豪がドラムセットの向こう側で、正確なリズムを刻んでいる。
(……かっこいい……)
いつもの傲慢なまでの自信が、音の塊となって会場を支配していた。
汗を飛び散らせ、バチくそにカッコよくスティックを振るうその姿は、夜に自分を乱暴に抱き伏せる男と同じだとは思えないほど、眩しく気高かった。
そして、ステージ前半。
緑谷が軽やかなステップで空を舞っていた。
舞台袖で、冷静に演出をサポートする轟の姿も見える。
彼らの放つ熱量は、薄暗い自室で肌を重ねる時とは違う、ヒーローを目指す者としての純粋な輝きに満ちていた。
(みんな……あんなに、キラキラしてる……)
胸が締め付けられるような感動と、同時にその彼らが夜には自分を狂おしく欲しがるという背徳感が、のナカで複雑に混ざり合った。
演奏が終わると同時に、割れんばかりの歓声が沸き起こる。
幼馴染たちの最高のステージを見届けたは、火照った頬を冷ます間もなく、クラスの受付当番へ戻るために人混みをかき分けた。
受付の交代時間が近づいた頃、喧騒の向こうから爆豪が姿を現した。
ライブを終えたばかりの彼はまだ肌に熱を帯び、鋭い眼光をぎらつかせている。
「……おい、交代だろ。来い」
有無を言わさぬ口調で手首を掴まれ、文化祭で賑わう廊下を連れ回される。
どこへ行くのかと問う暇もなく、爆豪は人気のない校舎の空き教室へとを放り込んだ。
「勝己くん……? こんなところに、どうしたの?……っ」
「うっせぇ。……あのステージ、お前見てただろ」
背後から覆いかぶさるようにして、爆豪はの制服を乱した。
ブラウスを下着ごと捲り上げ、露わになった胸を大きな手で背後から鷲掴みにする。
「あ、は、……んぁぁッ!!♡♡ 勝己くん、……だめ、……誰か、きちゃう…よ…っ!!」
「……こんなとこ、誰も来ねぇよ。……お前、俺のドラム見て、……惚けたツラしてただろ」
爆豪の声は低く、野性的な熱を帯びていた。