第12章 ※イタリアの空は、君を諦めない【REBORN ディーノ】
イタリアから戻ったばかりの日常は、どこかふわふわとしていて現実味がなかった。
けれど、手に持ったお土産の重みと、肌に残るディーノの体温の名残が、あの出来事が夢ではなかったと教えてくれる。
帰国後、近所に住む昔から弟のように可愛がっていた幼馴染の家を訪ねると、母親の奈々がいつもの太陽のような笑顔で迎えてくれた。
「あらちゃん! おかえりなさい! イタリア旅行はどうだった?」
「もう、色々ありましたけど……でも、すごく楽しかったです!これ、お土産です」
リビングでお茶をいただきながら、イタリアの美しい料理や美しい街並みの話をしていると、玄関から「ただいまー……」と少し元気のない声が聞こえてきた。
「あ、ツナくん! おかえり。久しぶりだね、また背が伸びた?」
「えっ、さん!? おかえりなさい! いつの間に……あ、ううん、そんなに伸びてないですよぉ」
照れくさそうに頭をかくツナは相変わらずどこか頼りなくて、けれど優しそうで、見ているだけで心が和む。
「ちゃん、よかったらツーくんの部屋でゆっくりしていって。あの子、最近新しいお友達もできたのよ」
奈々に促されるままツナの部屋へお邪魔すると、そこには机の上にちょこんと座る、黒スーツ姿の赤ん坊がいた。
「ちゃおっす。お前がツナの言ってた近所の姉ちゃんか」
「……えっ? あ、こんにちは、この子可愛い! なのに、すごくしっかりした挨拶をして偉いね!」
可愛い赤ん坊姿に思わず微笑んでしまう。
その子が被っているハットには、カメレオンのような不思議な生き物が乗っていた。
「俺はリボーン。ツナの家庭教師だ」
「…リボーン、余計な事は言わなくていいから! すみませんさん、こいつちょっと変わってて」
慌てるツナと、どこか不敵な笑みを浮かべるリボーン。
賑やかで平和な日本でのひと時が、イタリアでの恐怖を遠い異国の出来事のように塗り替えていく。