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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第14章 へなちょこな彼は彼女を愛したい 【REBORN ディーノ】


翌朝、部屋に運ばれた彩り豊かな京朝食を前に、いのりは箸を持つ手すら微かに震えていた。


「……あの……ディーノさん、腰が……」


「悪い! ほら、俺が食わせてやるから。あーんしろ」


結局、前と同じようにディーノに甘やかされ、至れり尽くせりの介護を受けながら、滋味深い出し巻き卵や湯葉を堪能した。
身体の奥にはまだ彼の熱い余韻が重く残っていたが、不思議と心は羽が生えたように軽かった。


チェックアウトを済ませ、ロビーで待ち構えていたロマーリオと合流すると、二人の姿を一目見た瞬間、全てを察したように深く、深いため息をついた。


「……ボス。……また無理をさせましたね?」


「うっ、いや、これはその……日本の文化を、その、深く堪能しようと思ってだな……」


「言い訳が見苦しいですよ。昨日、あんなに念を押したはずですが。跳ね馬というより、ただの野獣ではありませか」


ロマーリオの容赦ない小言に、ディーノは縮こまって頭を掻く。
イタリアの裏社会で恐れられる「跳ね馬」が、一人の部下にタジタジになっているその滑稽な姿に、いのりは思わず「ふふっ」と声を立てて笑ってしまった。


「……ごめんなさい、ロマーリオさん。でも、楽しかったですよ、京都旅行」


「嬢ちゃんがそう仰るなら……。ですがボス、帰りの機内では絶対に嬢ちゃんを休ませるように。いいですね?」


「分かってるって! 膝枕でもなんでもしてやるよ」



そんな賑やかなやり取りを交わしながら、三人は京都を後にした。






数日後。
イタリアの懐かしい屋敷に戻ったいのりは、自分の部屋の柔らかなベッドに身を沈めていた。
窓の外には、並盛や京都とは違う乾いたイタリアの風が吹いている。



(……帰ってきたんだな、ここに)



かつては「逃げ場所」だったこの屋敷が、今ははっきりと「自分の居場所」に変わっていた。

日本での壮絶な経験、京都で知った異なる世界という真実。


それら全てを、ディーノの熱い抱擁と、ロマーリオたちの温かい眼差しが塗り潰してくれた。



「いのり、入るぞ。ハーブティー淹れてきたんだけど、一緒にどうだ?」


寛いでいると、ドアを叩く音と、聞き慣れた明るい声がした。



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