第17章 いい子 ※
「嫌か?」
逃げられないと分かっていて、あえてそう問いかける。
こう言えば、ナマエは絶対に首を横に振る。
そして俺に絆され、流され、最後にはすべてを許してしまうのだ。
「嫌じゃない……けどっ、」
その先の言葉が煩わしくて、俺はナマエの身体を抱えて椅子から立ち上がった。
不意の浮遊感に、文句を言いかけていたナマエは口を閉じ、反射的に俺の首へ腕を回してしがみついてくる。
「安心しろ。最後まではしねえ」
そう囁いてベッドへ優しく横たえてやれば、ナマエは少しだけ不満げに口先を尖らせた。
そして誘うように、期待を孕んだ瞳を揺らして俺を見上げてくる。
「……しねぇからな」
「………はい」
念を押せば、ナマエはぷっくりと頬を膨らませて、拗ねたように俺から視線を逸らした。
その生意気な仕草すらも、笑ってしまいそうなほどに愛おしいのだから、この感情は本当に厄介だ。
「ちゃんと我慢しろよ」
「え……っん、」
覆いかぶさって流れるように口を塞げば自然と舌が絡まって、再び静寂に包まれた室内に水音が響き始めた。
同時にもう一度服の中へと手を差し込み、先端を弄ってやれば、嬌声の代わりにナマエの息が荒くなる。
「…っ、ぅ……、」
唇を解放し、今度は首筋に顔を寄せ、三日前に散々付けた所有印をなぞるように舌を這わす。
ふとナマエの顔を見上げれば、悩ましげに眉をひそめ、声が溢れ出ないようにと自分の唇を強く噛んで耐えていた。
「……、っ…」
痛みで快楽を誤魔化そうとしているようなその姿に少しだけ腹が立ち、俺は再びナマエの唇を塞ぐ。
すると俺を迎え入れるように唇が開かれ、俺の口内へ小さな舌が侵入した。