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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第30章 呆然と失墜



そう思った瞬間、堰が切れる
『……悟……』
「ん?」
変わらない調子で答えてくれる

それが余計に苦しい
紅海は顔を上げないまま言った
『私と対決して……』
「は!?」
即座に素っ頓狂な声が出る
「いや待って。今の流れで!?
なんで急にバトル漫画になるの?」

紅海は涙を拭いながら続ける
『……私、今のままじゃダメだと思うの』
呼吸を整える
『悟に追いつきたいって言ったくせに……感情に振り回さて、勝手に傷ついて、勝手に怒って……
同じ場所に立ちたいなら、ちゃんと自分を制御できないとダメだって思った』
少しだけ顔を上げる

涙で赤くなった目で五条を見つめる
『だから、対決して』

五条は数秒、まじまじと紅海を見る
そして、ふっと小さく笑った
「……なるほどね」
立ち上がって伸びを一つ…
「要するに気持ちの整理を、呪術師のやり方でやりたいってことでしょ?」

紅海をみる瞳が優しい
「いいよ」

「ただし条件」
指を一本立てる
「お互い、術式は使わない…これは喧嘩や殺しあいじゃない…
君が僕の隣に立ててるかどうかの答え合わせ」
そして、僕が紅海の隣に立てるのかどうかも…

わざとらしく五条は肩を回す
「いや~久しぶりだなぁ…紅海と模擬戦とか…」
『模擬戦とか言って、手は抜かないでね?』
「そっちこそ、本気じゃなかったとか言って負けた言い訳にするなよ?」

先程までの気まずさは、もう消えていて
五条の隣に、紅海が並んで歩く

「じゃ、今日は送っていかないからな?八百長とか言われたくないしね?」
『誰も、送ってって頼んでないでしょ?』
紅海が、ベシっと五条の腕をしばく

「とりあえず、勝負、明日で良い?学長に電話して…で後で連絡する」
『うん…出張帰りの疲れた悟に勝っても意味ないもんね』
「疲れてませーん!体力有り余ってまーす!」
手をヒラヒラさせて余裕な五条を見て紅海は、口を尖らせる
『嘘ついてなさそうな所が憎い…』

2人は、何気ない会話をしながら高専の門で別れた

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