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天狐あやかし秘譚

第72章 死生有命(しせいゆうめい)


☆☆☆
「・・・以上が4月に入ってから東京、大阪、仙台などで確認されている怪異です」
私の目から見ても青っちょろい顔をした青年、廣金(ひろがね)が報告レポートの読み上げを終えた。廣金は占部衆に配属されたばかりの陰陽師である。頭もそこそこ切れるし、霊的なものも含めて能力としてはバランスよく高い。

でも、いかんせん、青瓢箪・・・

そんなこと言ったら、お前が好きな宝生前だってナヨ系だし、似たようなものじゃないかと突っ込まれそうだが、あっちは落ち着いたダンディズムがあるが、廣金は色気に欠ける。やっぱり宝生前には遠く及ばない。

「土門様?」

設楽に声をかけられてハッと我に返る。いかんいかん・・・今は衆の会議中だ。
設楽は例の疱瘡神の騒ぎのときに赤咬病に侵されてしまったが、疱瘡神の封印とともに回復、2月末には復職を果たしていた。

いかんいかん、先日宝生前と一晩中飲み明かしてから、ますます彼のことが好きになってしまい、つい頭の中がピンク色に・・・。
私は頭を軽く振ると、会議の方に意識を戻した。

廣金の報告は簡単に言えば、最近、東京を始めとした都市部で突如不吉な予言をされるという例が多発している、というものだった。実際に予言を受けた人が死んだ・・・みたいな例は、まだ報告がないが、怪我をした事例はあるようだ。また、詳細は調査中だが、どうやら同様の怪異にあった後に行方不明になっている人もいるようだった。

廣金の報告によると、例えば怪我をした事例とは、このような話だった。
これは、32歳の女性会社員の供述だ。
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