第3章 はじめましての訓練
だが——
「だからさ。ちゃんと使えるようにしないと。」
ホークスはとん、と軽くの額に指を置いた。
「飛ぶ練習、しようぜ。」
の目が丸くなる。
「……え、飛ぶの?」
「当たり前だろ?翼があるんだし。」
「でも……ホークスみたいにうまくできない……」
「できなくていい。最初は誰だって下手くそだ。ほら一番最初に翼発現した時だって下手くそだったじゃん。でも練習して上手くできるようになったでしょ?」
そう言って、ホークスは自分の翼を広げて見せた。
ぱさっ、と空気が揺れる。
「な? 俺の翼だって最初はくしゃくしゃで、
羽ばたくたびに壁にぶつかってたし。」
「ほんと?」
「嘘つく必要あるか?」
ホークスは片目をつむり、いたずらっぽく笑った。
するとは、そっと背中から翼を広げた。
羽根がこすれる音が、控えめに部屋に響く。
「……ねぇホークス、これ……
なんか、あったかい……」
「そりゃそうだ。翼は感情に反応するからな。」
ホークスはの翼の先を指で軽くつつく。
びくっ、とルイの身体が跳ねた。
「ひゃっ……!」
「おー、敏感だな。」
ホークスは笑い、は真っ赤になった。
「も、もう!つつかないでよ!」
「悪ぃ悪ぃ。かわいい反応すぎて。」
そんなやり取りをしながら、
二人は訓練場へ向かう。