第6章 6話
「だめ」
「どうして?約束した」
手首を引っ張って
また噛みつくようにキスして
「あっ、、んぁ」
「はぁ。、、かわいー」
ちょっとキスしただけでえっちな顔するつーちゃんに
どうしても俺しか考えられないようにしたくて
「つーちゃん」
そのまま抱きしめられる
けど
「……だめ。離して」
ちょっとの抵抗も許したくない
「離したくないって言ったら?」
首筋にキスして
でも身じろぎされて
明らかに拒否の姿勢を取られる
泣きそうになって
思わずつーちゃんの肩に顔を埋めた
「……俺と離れようとしてる?」
聞きたくないけど
なんか朝からの違和感で我慢できなくて聞くと
跳ねる身体は
もう肯定でしかなくて
「………うん。今日言おうと思ってた。
秋くん。ありがとう。
たくさん優しくしてくれて」
「………だめ」
ギュッと力を込める
いやだ
やだよ
つーちゃん。
「………もう、充分教わったから。
秋くん居なくても大丈夫
秋くんを皆んなに返すね。……大切な人のところにちゃんと帰って」
顔をあげてつーちゃんを見る
じゃあなんで?
なんで泣いてるの?
「……そんな顔すんなよ」
寂しい。って
顔に書いてあるじゃんか
「秋くん。離して」
抱きしめてる俺の身体を
押し退ける
「俺の大切な人は、つーちゃんだよ」
今更言っても
届かない
「…………嘘。ちゃんと正直になって。自分のいるべき場所に帰って。」
いるべき場所?
「つーちゃんの家に?」
「それは違う。私の帰る場所。……秋くんだってあるでしょ?本来の場所が」
どういうこと?
俺の帰りたい場所は
つーちゃんなのに
明らかに拒否されたショックと
言われた意味の理解に追いつかなくて
いつの間にかつーちゃんが帰ってるなんて気づかなかった
続く