第9章 事情聴取(相澤消太)
ラブホ、入っちゃった……
そういえば、私最後にシたの、いつだっけ?
前の彼氏と別れたのが半年前だから……えっと……?
あれ?そもそもどうやって、するんだっけ……?
そう思った所で、自分が若干枯れかけていたんだと知る。
それにしても……
ぐるりと部屋を見渡す。
なんか、照明とかさぁ……何とかならん?
無駄に、ムーディなのよ……そりゃまぁ、えっちする為の部屋ですから?そうなんでしょうけど……
「おい」
「ひゃぁっ!」
考え事に熱中しすぎた所に急に呼ばれて、変な声が出た。
「何考えてんだ」
「あ、いや、えっと……お風呂、入ろっかなぁ……なんて……?」
考えていた事を言うのが恥ずかしくて、真っ赤な嘘を明後日の方向を見て言ってしまった。
「風呂なんか入ったら、どうせ寝るだろ」
うっ……
お風呂入ったらうっかり寝ちゃって、明日の朝「ごめん、寝ちゃった♡」って言う安易な作戦も、潰された。
もう、するしかないのか……
まぁ……嫌なワケじゃないし、減るもんじゃ、ないし……いっか。
「あの……ちょっとだけ優しくしてもらえると……助かります……」
私は結局、相澤さんに身体を委ねてしまう事にした。
「優しく、ね……まぁ、善処するよ」
そう言うと、相澤さんは私の身体をポンと押した。
その勢いで、後ろにあったベッドに身体が沈んだ。
……ふわっふわ、ベッド……!
しょうもない事に感動していると、相澤さんが上にのしかかってきた。
「相澤さ……」
「消太でいいっつってんだろ」
「そ、それはさすがに……いっ!」
服をぐいっとずらすと露わになった鎖骨を甘噛みされて、そのままちゅっと吸われた。
「……あ……」
吸われた所に、赤く痕がついて何だか恥ずかしくなってしまう。
「痕、つけないでっ……」
「もう俺しか見ないんだから、いいだろ」
そういう問題じゃない。
こんなのふとした時に見たら、今夜の事……思い出しちゃうじゃん。
そんな事を思う私にはお構いなしに、相澤さんの手はワンピースのボタンをプチプチと外していく。
「あっ、や……」
「ボタン外してるだけなのに感じてんのか?そんなんじゃここから先、もたないぞ」
あっという間にワンピースを脱がされてしまって、ブラジャーのホックに手が伸びた。