• テキストサイズ

君の隣で眠らせて【チェンソーマン連作短編】

第4章 夜明けがくる前に…【早川アキ夢・後編】



地上に降り立った天使は、アキから手を離した。

土埃がおさまるのを待たずに悪魔は次の攻撃を仕掛けてくる。
その時、唸るようなチェンソーの音が聞こえ、デンジが飛び込んできた。

その後、悪魔はチェンソーマンによって倒され、現場の始末は他の部隊へと引き継がれた。




その日の夜、アキはマキマの部屋に今回の任務の報告に訪れた。
無表情のまま淡々と報告書を読み上げ、書類を渡す。

「…報告は以上です」
「今回の悪魔は、公安の人間を使って意図的にルルちゃんを殺させた。…内部事情に詳しい者が関わってる可能性があるね」
「そうですか…」

虚ろな目でマキマを見つめ返したアキは、心の中で"どうでもいい"と呟いた。
感情を失ってしまったかのようなアキにマキマは言った。

「…早川君の中の復讐心は、もう消えちゃったのかな?」

アキは微かに眉間にしわを寄せた。

「まさか…」

腰の後ろに組んだ手で、拳を強く握りしめる。

「復讐しますよ。…必ず」
「それは良かった。では、早川君は引き続きこれまで通りに任務をこなしてください」
「はい」

マキマの指示に、アキは機械的に返事をした。


「失礼します」

背中を向け、ドアノブに手をかけたところで動きを止める。

「…まだ、何かあるのかな?」

そう聞いたマキマに、アキは振り返らずに低い声で言った。

「曽根崎ルルの遺体は…どこにありますか?」


/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp