• テキストサイズ

【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第6章 No One’s Yours


黒尾はスマホを耳に当てたまま、押し殺したような低い声で一方的に話し続けていた。




「……もうこういうの、続けるつもりはない。……悪いけど、これ以上は無理だ。……俺の方から、終わりにする。–––もう、会わない。」




そのとき––––。

スマホから、かすれた声が漏れた。




『……どうせ私が連絡したら……会いに来るでしょう?』




黒尾の足が止まった。

ほんの数秒の沈黙。

黒尾は、まぶたを伏せて夜空を仰ぐ。




「……もう、会わない。」




短く、でも決定的な声だった。

指先がわずかに震える。

そのまま通話を切ると、スマホの画面が暗い夜に沈んでいった。





––––––

––––––––

––––––––––





スマホの画面に、新着メッセージの通知が浮かんだ。

差出人はクラスメイト。

添付されていたのはあのとき「いらない」と言った、執事服姿の黒尾の写真だった。




タップした瞬間、画面いっぱいに映し出された黒尾の姿。

きっちりとしたシャツ、黒いベスト、そしてふとした瞬間の真っ直ぐな笑顔。
/ 299ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp