【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第5章 A Heart Divided
黒尾の唇の感触に、仁美の心臓が強く跳ねる。
「そんなこと……してない……!」
仁美はかすれた声で否定した。
感情を絞り出すようなその声に、黒尾の手がわずかに震える。
「…仁美ごめん…。」
黒尾が謝る顔に、仁美は顔を顰めた。
「…心変わりを謝られても虚しいだけだよ。」
だってもう、離れた黒尾の心は元には戻らないから。
仁美がそう言うと、再び彼女を掴む黒尾の手に力が入った。
「心変わりなんかしてない。ずっと昔から仁美が好きだった。」
真っ直ぐに見てそう言う黒尾に戸惑うしか出来なかった。
「仁美…。研磨にまだ触れさせてないところを、俺に触れさせて。」
戸惑っている仁美を無視して、黒尾はまた仁美の肌に唇を押し付ける。
触れる様に…。
そして舌が白い肌を這った時に、仁美は1番強く抵抗した。
「クロ!!もうやめて!!––––––。」
大きな声は次の瞬間に黒尾の唇に塞がれる。