【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第5章 A Heart Divided
大学はそれぞれ別々。
歩む道も、過ごす時間も、今よりずっと少なくなるだろう。
それでも、研磨の隣には変わらず仁美がいる。
そう信じて疑わなかった。
たとえ今仁美の好きな先に自分がいなくても–––––。
研磨にとって、それは夢でも理想でもなく、“未来の延長線上にある当たり前”のようなものだった。
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翌日は学校は休みだった。
だけど文化祭の後片付けがあるため、三年生も登校することになっていた。
仁美は朝からずっと、気持ちが沈んでいた。
学校に行きたくなかった。
理由は––––もちろん黒尾のことだ。
もし黒尾に彼女ができたのなら、そんな話はすぐに学校中に広まるはず。
彼はいつだって目立つ存在で、誰もがその一挙手一投足に注目している。
しかしクラスチャットには、そんな話題はひとつもなかった。
(……他校の子なのかな…。誰も2人を見なかったのかな…。)