【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第13章 Beyond the Broken Line
研磨が呆れたように言うと、顔を上げた黒尾の表情は酔いなのか顔が紅潮していた。
「研磨ちょっとこっち来て、仁美が可愛いの。」
ヘラッと酔っ払いのような笑顔で、黒尾は研磨を手招きした。
研磨は小さくため息吐くと、ゆっくりとベットに寝ている仁美の顔を見た。
うん。可愛い。
しかし仁美が可愛いのは元から知っている。
研磨が側に来たのを確認すると、黒尾はまた仁美にキスをする。
そうすると仁美はモゾッと動いて「クロ…やめて…」と顔を顰める。
「誰がキスしても絶対俺の名前呼ぶぜ。」
自信満々に言う黒尾を見て、研磨は片眉を動かした。
そして徐に仁美にキスをする。
「ん……研磨?」
「…仁美すごく酔ってるみたいだけど大丈夫?」
「…ん…大丈夫…。」
唇が触れたのはほんの一瞬だった。
だけど仁美は眠たそうに薄っすら目を開けて研磨を確認すると、またすぐに目を閉じて研磨の声に答える。
研磨はまた寝入った仁美から黒尾に視線を移した。