【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第13章 Beyond the Broken Line
頬、口元、額、また頬。
恋しさを確かめるように、途切れず続くキス。
研磨は黙ってその光景を見ている。
黒尾は、眠る 仁美 の小さな吐息を聞きながら、まるで失っていた3年分を埋めようとするみたいに、やっと触れられた 仁美 を静かに、しかし執拗に堪能し続けた。
研磨は 仁美 の鞄からスマホを取り出し、テーブルの上に置いた。
眠ってぐったりしている 仁美 の指先をそっと掴み、指紋認証を解除する。
画面が開くと、研磨はすぐにメッセージアプリを開き、淡々とスクロールしながら、その内容を確認する。
そしてほんの僅かに、口元が歪む。
笑っているのか、呆れているのか分からない表情で。
「……そっか。」
小さく呟き、研磨はスマホを静かに閉じた。
リビングに戻り、片付けを再開する。
すると、黒尾と 仁美 がいるソファのあたりからくちゅ、…ぴちゃ… と濡れた音が聞こえてきた。
研磨は片手を止めずに、ちらりと視線だけを向ける。