【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第12章 Triangular Midnight
研磨は黒尾を正面から睨んで言った。
「……クロの愛し方じゃ、仁美 は壊れる。」
その研磨の言葉に黒尾は歯を食いしばり、拳を震わせる。
「壊さねぇよ。オレは……仁美 が離れねぇって、信じたかっただけだ。」
「それが“壊す”って言うんだよ。」
研磨は一歩踏み込み、目を逸らさずに続けた。
「クロは 一緒に壊れてくれる 相手が欲しいだけ。仁美 の気持ちを何度も揺らして、確かめて、安心して……そうやってしか満たせないから……、クロはもう……他の愛し方を忘れてる。」
黒尾は息を呑むように立ち尽くした。
反論しようとしても、言葉が出てこない。
研磨の言葉が確信を突いていると自分でも分かっているからだ。
研磨は視線を伏せるでもなく、静かに告げる。
「……本当は、クロも分かってるはずだよ。仁美 は、その愛し方には絶対に応えない。」
黒尾は苦しげに顔を歪めて、研磨はその表情に目を逸らしたくなった。
「じゃあ……どうすりゃいいんだよ……。仁美 がいなきゃ……ダメなんだよ……!」