【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第12章 Triangular Midnight
黒尾の顔が歪む。息が詰まるように口を開くが、言葉が出ない。
研磨は続ける。
「お前が壊したんだよ。三人の形も、仁美 の気持ちも……そして、自分の番も。」
黒尾は拳を握りしめた。
殴りかかる寸前のような張り詰めた空気。
「……違う。まだ戻せる。俺は……仁美 を失わない。」
研磨は目を細め、息を吐くように言う。
「──もう失ってるって、どうして気づかないんだよ。」
その言葉は、黒尾の胸に真っ直ぐ突き刺さった。