【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第12章 Triangular Midnight
だけど、自分にキスをする研磨の顔を見てー。
後悔することは決してないと仁美は思った。
薄暗い部屋の空気が、ようやく落ち着きを取り戻し始めていた。
研磨は言葉を選ぶように、まずタオルを取り、仁美 の肌についた自分の体液をそっと拭った。
「……ごめん。痛くしてない?」
研磨の言葉に仁美は首を横に振った。
安心したように研磨は小さく息を吐く。
研磨は一度タオルを置くと、自分の乱れた服を整え、深く息を吐いてから言った。
「……服を着て仁美。クロに仁美の体を見せたくない。」
「……………。」
研磨はもうすぐ黒尾が来ると確信している。
だけど仁美は研磨に背中を向けたまま動こうとはしなかった。
玄関のチャイムが、甲高く響いた。
その一音で、研磨と 仁美 の呼吸が一瞬止まる。
研磨はベッドのそばでしゃがみ込み、布団にくるまった 仁美 の肩にそっと手を置いた。