【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第12章 Triangular Midnight
疲れたように吐き捨てた仁美を見て、研磨はもう我慢をするのをやめた。
黒尾の依存性の高さを知っていて、それでも仁美なら、もしかして黒尾も落ち着くかと思った。
だけど黒尾は1番最悪な決断をした。
仁美を泣かせ続けた。
もう研磨が黒尾に遠慮などする気持ちも無くなった。
「……仁美……。」
研磨は泣いている仁美の肩に触れた。
その声に仁美は俯いていた顔を上げる。
「…俺が断ち切ってあげる。仁美を苦しめるモノ全部。」
研磨の低い落ち着きのある声が、いやに胸に響いた。
仁美は研磨の名前を呼ぼうとして少し唇を開いた。
だけど彼の名前が漏れることなく、研磨の唇に塞がられる。
そしてキスをしたまま仁美をベットに寝かせた。
仁美は一瞬目を顰めたが、何度も触れる唇に目を瞑ると。
研磨の背中に腕を回した。
「……研磨。」
縋るように研磨に抱き付く仁美を、彼は優しく抱き返した。