【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第9章 Cling to Me, Even If it Hurts
「ここまでなら……いいだろ。」
言葉とは裏腹に、指は優しく震えていて。
研磨の部屋。
研磨のベッド。
研磨の匂い。
その全部を踏みつけながら、黒尾は仁美を抱いている。
「だって……触りたかったんだよ。ずっと。ずっと……前から。」
仁美は言葉を出すことも出来なかった。
服の中の黒尾の手が仁美の胸に触れた。
「っ!クロっ!」
少しの躊躇もなく、彼の手はブラをずらして柔らかい乳房を手のひらにおさめる。
「…仁美、早く答えてくれないと、研磨が来る前に着るものなくなっちゃうよ。」
黒尾は体を起こすとゆっくりと仁美の制服のボタンを外していく。
「早く今決めて…俺か……俺じゃないのか…。」
プツッと最後のボタンが取れると、仁美は涙を流した。
黒尾は仁美の涙を見ても、目を細めるだけだった。
この前まではこの涙で黒尾は引いてくれた。
でも今、そんな黒尾はいなかった。
はだけた仁美の胸元に黒尾の唇が触れようとした時に、仁美から声が漏れた。