• テキストサイズ

【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第8章 Unholy Devotion


仁美は息を呑む。

その瞬間、研磨が迷いなく身を寄せた。




その後に触れる研磨の唇。

もう躊躇いもなく舌が入ってくる。

少し戸惑いながらも、仁美もまたそれに応えた。





体育倉庫は寒くて、2人のリップ音は響いていた。

しばらく仁美の唇を堪能すると、研磨は唇を離した。





研磨の指先が、まだ 仁美 の頬に残る熱を追う。

けれど、すっと手を離した。

まるで、いま触れた事実を自分の中から消すように。





「……で、どうするの?」

倉庫に溶けていく低い声。

静かで、呼吸みたいに淡々としている。




「……勉強に、集中する。」

研磨はその横顔をじっと見た。

「そ。……じゃあ、そうしてね。」




仁美 は慌てて参考書を開く。

紙の擦れる音が、倉庫の静けさにやけに大きく響く。




研磨は跳び箱にもたれ、スマホを開く。

だけど視線は画面じゃない。




反射したガラス越しに、仁美 の横顔と揺れる睫毛を見ている。





押しつけない。

問い詰めもしない。

/ 307ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp