【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第7章 Obsession
そのままスマホを操作し、まどかをブロックする。
そして連絡先を削除。
あまりにも迷いのない動作に、仁美はただ呆然と黒尾を見上げていた。
視線がぶつかる。
ほんの一瞬の沈黙。
次の瞬間、黒尾は仁美を強く抱き締めた。
その腕は先ほどよりもずっとしっかりと、まるで逃がさないように絡みつく。
そして、静かな教室の中で、黒尾は仁美の唇を奪うようにキスをして、低く囁く。
「……好きだ。」
ぎゅっと仁美を抱き締めて、絶対に仁美を離そうとしなかった。
「仁美が好きだ。ずっと…。お願いだから研磨より俺を選んで…。」
黒尾からの、ずっと望んでいたはずの言葉に–––。
仁美は、答えられなかった。
聞き慣れた声なのに、まるで黒尾が他人に言っているような感覚だった。
それでも、黒尾からのキスは止まらない。
触れるたびに、逃げられなくなるような熱が伝わってくる。
仁美は迷いながらも、黒尾の背中に手を回した。