【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第7章 Obsession
「……やめて……やめてよ……!」
仁美は震える声で必死に訴える。
けれど黒尾は、仁美の言葉は無視して、柔らかい肌を舌と手でたどった。
肌に落ちる熱い吐息と、逃げられない腕の重み。
その圧迫感に、仁美の体が震える。
「もう……いや……っ。」
涙が零れた。
仁美の体から力が抜ける。
黒尾はその声に反応するように一瞬だけ動きを止めたが、彼女を抱き締める力は変わらない。
泣いている仁美の顔を見て顔を顰めた。
そしてゆっくりと片手を伸ばし、スマホを取り上げると、何のためらいもなく通話ボタンを押した。
仁美は、通話ボタンを押した黒尾の顔を驚いたように見上げた。
数コールの後、スマホのスピーカーから声が漏れた。
その声を聞いた瞬間、仁美は相手がまどかだと悟る。
「まどかさん。もう会わない。連絡先も消す。」
黒尾は感情を抑えた低い声で、一方的にそう告げた。
相手の返事を待つこともなく通話を切る。