【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第7章 Obsession
仁美が声を上げた瞬間、黒尾の手が顔を包み込むように押さえつけた。
その手のひらが頬に食い込み、指先が顎を逃がさない。
黒尾の顔が近づき、視界が塞がれる。
次の瞬間、唇が容赦なく押し当てられた。
何度も、何度も、息ができなくなるほど執拗に––––。
「うっ……は…ぁ…。」
舌が絡まり、呼吸さえ苦しい。
仁美は両手で黒尾の胸を押すけれど、まるで壁のように動かない。
逃げようと首をそらしても、黒尾の手が顔をしっかりと固定し、顎を上げさせる。
ちゅっ……はぁ……。
教室に舌の絡まる落とされると、荒い呼吸だけが続いた。
「……俺んち、行こう…。今日親遅いんだ。」
黒尾は低く、吐き捨てるように言った。
まだ仁美を壁に押し付けたまま、逃がす気配もない。
その言葉を聞いて仁美はゴクリと喉が鳴った。
黒尾を押し除けている手のひらが、ジワっと汗が滲む。
「いや……行かない…。」
仁美は息を荒げながら、それでもはっきりと首を横に振る。