【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第7章 Obsession
仁美の眉がほんの少しだけ動く。
その反応に黒尾は気づいた。
乗り気でないことが、表情の端々から伝わってくる。
次の瞬間、黒尾は迷いなく仁美を抱きしめた。
強い力で。
仁美は息を詰まらせ、思わず身を固くする。
「ちょっ……クロ……!」
そのまま黒尾は仁美を近くの空き教室へと引きずるようにして連れ込んだ。
教室のドアが、重たい音を立てて閉まる。
薄暗い部屋の中で、黒尾の息がすぐ耳元にかかる距離。
「やめて……!」
慌てる仁美の声を無視して、黒尾は肩を壁に押しつけ、顔を近づけた。
次の瞬間––––。
無理やり唇を奪う。
仁美の身体がびくりと震える。
押し返す腕も、黒尾の腕の力には敵わなかった。
耳のすぐ横で、黒尾の荒い息が熱く響く。
黒尾の腕が仁美を強く引き寄せた。
まるで逃げ道を塞ぐように、腰と背中を抱きすくめる。
息が詰まるほどの力だった。
「っ……クロ、痛い……!」