【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第6章 No One’s Yours
「–––研磨…それは……。」
アウトだ。
「え…でもスエット履いてるの無理……。」
–––何が?
なんて聞けない。
仁美は両手で顔を覆って、なるべく彼を見ないようにした。
「仁美…。」
研磨に名前を呼ばれても、仁美は手を退けない。
「仁美。」
もう一度名前を呼ばれて、研磨に手を退かされる。
泣きそうにながらも見た研磨の顔は、多分自分より紅潮してるいると思った。
「じゃあ…噛むね…。」
「え?噛むの?」
「うん…。クロの痕噛みたい。」
仁美のなんでって言う顔…。
そりゃあ腹が立ってるしね。
簡単に痕を付けるクロにも、付けられる仁美にも。
研磨が仁美の髪を掻き上げると、首筋に浮かぶ黒尾の痕。
赤い痕よりも口を開けて仁美の首筋に齧り付く。
「あっ……いっ……。」
痛みで震える仁美の首筋。
「う……研磨……。」
震える手が俺の背中に縋り付く。
この瞬間、クロの痕も全てまるごと、仁美の体は俺のモノだ。