第7章 メイドカフェ ※
「愛ほど強い呪いはないよ」
鈴が五条に連絡すると、客として彼はやってきた。
鬼盛り生クリームましましの魔法をかけちゃうぞ☆ふわふわシフォンケーキセットをオーダーしてご満悦である。
「そのストーカー野郎どうなったの?」
「それが初犯じゃなかったらしくて、かなり強く警察から注意されたそうなんですけど。お店にはそれ以来来ていないって」
「そのストーカーに限らず、女の子に邪な感情抱いてる客もいるだろうし。そういうのもあって呪いに転じちゃったかなー」
話しながらシフォンケーキをきれいに平らげて、ロイヤルミルクティーを飲み切った五条は立ち上がった。もう帰るらしい。
「引き続き調査頼むよ。視線の主の呪霊が見つかればいいんだけど。
で、あと写真撮らせて。メイド服かっわいいもん」
「はぁ…」
もしかしてわざわざ店に来たのはメイド服目当てなんじゃないかと思わせるぐらい、デレっとした顔をした。
「いーね、その顔!もうちょっと斜め上向いて!」
パシャパシャと困惑した鈴の写真をスマホで数枚撮り、彼は嵐のように去っていった。