第2章 芽生える気持ち~冨岡義勇
竹林を抜けた先に、水柱冨岡義勇の屋敷があった。
息を整えて、声を出そうとしたその時
「入れ」
後ろから憧れの人義勇の声が聞こえた。
「あっ!すいません」
慌てるゆきを横目に先に屋敷の中に義勇は、入って行った。
穏やかで物静かで少し影のある表情…。あの綺麗な碧い瞳…
師範とは違う大人の雰囲気にゆきの胸の鼓動が止まらなかった。
義勇の稽古は割りと厳しかった。女だからと手加減はなく細かく丁寧に色々教えてくれた。
教え方も口下手だが、すごく的確で分かりやすかった。
それから…稽古に通いだしてから一週間が過ぎた。
ゆきは、毎日が楽しくて楽しくて仕方なかった。
無口な義勇もいつも明るく沢山話しかけてくるゆきに少しずつ心を開いてきていた。
午後の稽古を終え縁側に座り二人でお茶を飲んでいた時の事…
「ゆきは、時透の継子だが年齢が少し上だろう?時透はなぜお前を選んだんだ?」
「私は町の商人の娘でした。鬼に家族を殺されて私も殺されるって時に師範に助けられました。そしてそのまま気が付けば師範の継子に…
師範は私を五つも歳上と思わず継子にしてしまったのかもしれません」
「そうか…」
「確かに…俺の二つ下には見えないな…」
「それ、どういう意味ですか?」
「いや、悪い意味で言ったわけではない…」
「なんかすごく焦ってません?」
「焦ってなどいない」
二人はいつしかすっかり打ち解けていた…。
ゆきは義勇と居るときに安らぎを感じていた。
とても心が穏やかになれた。憧れだった存在がすぐ側にいる…
ますますゆきは、義勇に惹かれていった