第79章 翻弄される日々〜冨岡義勇【R18強強】
里もすっかり夕暮れ…
ゆきは、薬を飲んで落ち着いて眠りについていた。
義勇の隣に座るしのぶは、不機嫌そうにしている。
「冨岡さんは、なぜ昨日私を抱いたのですか?」
いきなりの質問に、義勇は慌てて眠るゆきの顔を確認した。
「眠り薬を入れているので早々起きません…大丈夫ですよ」
しのぶは、義勇の肩に頭を寄せた…急な接触で昨夜の情事を思い出し義勇は、思わず離れてしまった。
「なぜ離れるのですか?冨岡さんは、私を受け入れてくださったのですよね?」
また胡蝶…その表情をする…切ない辛そうなその顔をされると…俺は…どうしていいのか分からなくなる…。
今まで散々お前の気持ちを振り回して来た自覚はあるから尚更だ…。
「ゆきさんとの報われない恋より私を選んでくれたんですよね?昨夜私と…繋がった…あれが答えですよね?」
わからない…俺の中には、ズルいが…まだゆきが居るんだ。
部屋に灯りがともされる事もなく、どんどん部屋は暗くなっていく…
昨日、彼女を抱いたのは、決してゆきへの想いが消えたからではない。けれど、目の前で切ない顔をするしのぶを、放っておくこともできなかった。
「答えを、ください…」
しのぶの手が、義勇の羽織の袖を強く握りしめる。
その時
「ぎ、ゆう…さん…」
ハッとして義勇がゆきの方を向こうとした瞬間、しのぶが正面から抱きついてきた。
「ゆきさんに応えないでください。お願いですから、今は、私だけを見て」
「胡蝶…」
「昨日、私を抱いたあなたの気持ちが、嘘じゃなかったと信じさせてください!」
しのぶの目から、こらえきれなくなった涙が溢れ、義勇の心を揺する…
「すまない」
何に対しての謝罪か、自分でも分からぬまま、義勇はしのぶを抱き寄せていた。
すぐ傍らで、ゆきが熱にうなされ、必死に自分の助けを求めているというのに。俺は…
義勇はしのぶの涙を拭った後、そっと唇を重ねた。
義勇としのぶの重なり合う唇…背後から漏れるゆきの苦しそうな吐息
俺は何をしているんだ…今までゆき一筋だったのに…胡蝶が気になってしまう
気がついたら唇を重ねていた…
初めて抱いたゆき以外の女だからか?
わからない