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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第13章 彩の視線と牽制


♢ Side 雅 ♢

苦しくなった…彩さんの言葉が本音だったから…
ミキさんは追っかけって言ってたけど…それだけでカメラマンのサイバーの専属になることの権利を勝ち取るのは相当な事だと思うから…それに…

思った通り加賀さんの事が好きなんだ…

皆に聞かされてた…それに何より自分の目で見て…間違いないって思ってた。彼女は加賀さんの事が好きで…きっと私よりも長い事彼を追ってきた…

「…でも…そうかもしれないけど…」

思考が…まともに働いてくれない…甘えちゃいけないのに…こんなの困らせるのは解ってる…予選が終わった後にはどこのチームだってミーティングが入る。解ってる事…だから…我慢しないといけないのに…

「…会いたい…」

そう呟いてしまう…呟いても届かないのがよかった…同じチームじゃなくて本当に救いなのはこういう時だ…すぐに目で追ってしまう…絶対に表情でばれてしまう…

よかったのか…悪かったのか…
ううん…違うチームでよかったんだと思う…そうでなきゃ彩さんと加賀さんの…やり取りを、あの距離を…ずっと見ていなくちゃいけなくなるから…

「…でも…加賀さん…」

でも…私…あんまり知らない…加賀さんの事…
そうだ…誕生日と趣味と……それくらいしか…

きっと彩さんはもっと加賀さんの事を知ってる…それに…

私は…本名すら知らない……

それに気付いた途端にパキン…って心が折れた感じがして…聞こえもしない音が聞こえた気がして…
気付いたら……・・『会いたい…』のひと言を送信していた…



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