第11章 アイ・コンタクト
「…実は…」
「何?早く言って?」
「あの、加賀さんと付き合う事になって…」
「はぁ?!」
「……シッ!!」
「だって!ずっと告白できないとか言ってたじゃん?」
「そうなんだけど…あの…待って?」
「いつからなワケ?」
「…こっちに来てから…?」
「前のコースじゃ加賀いなかったじゃん!?」
「そ、そうなんだけど…」
「…ずっとそんな雰囲気なかったじゃんか」
「ん…私がずっとじれったい感じだったし…でもアンリのおかげでもあって…」
「…で?」
「え?」
「居なくなるの?」
「居なくなるって…」
「AOIに行くの?」
「AOIにはいかない。」
「……本当だね?」
「行かないけど…」
『けど』とつなげた言葉でアンリの表情が少しだけ険しくなる。
「…けど何?」
「今季が終わったら…チームをやめるかも知れなくて…」
「それは誰の意思なワケ?」
「私」
「いわされてない?」
「そんな事はない…」
「…わかった。」
そういうとふいっと顔を背けて席に戻っていくアンリ。ハヤトがどうかしたのかと声をかけるものの、不貞腐れていた。
「…雅ちゃん?」
「ん、昨日の件、アンリにも話さないと思ったんだけど…」
「そっか…私がハヤトの傍離れるのと同じ感じだもんね…」
「いや、それは違うと思うけど…」
「関係性が違うだけで同じよ?」
そう話していた。そして休憩も終わった後に再開するミーティング。そして二時間超えのミーティングも終わった。会議室から出ようとした雅をクレアが引き留める。
「…雅ちゃん?」
「あ、クレアさん…」
「お話でもどう?」
まさかクレアから…と思いながらも雅は二つ返事をしてその場に少し残ることにした。