第10章 さらけ出された感情
そして時間、日にちともに過ぎていき、次のGPの国へと着いた。
「…あれ?」
ホテルに着いたスゴウのメンバーは見慣れたメンツがいることに気づいた。
「…チーフーーーゥゥゥゥ!!!!」
そう叫びながらペイが走り出す。その声で一行は振り返る。
「あれ?ホテル、一緒?」
「おい、ペイ!巻き付くなって…!おいってば!」
「チーフ、あいたかったですぅぅ!!」
「もう私はスゴウのチーフじゃないし、今はあんたがチーフだろ、ペイ!」
「そうですけど…そうなんですけどぉ…!」
偶然過ぎるこの状況。そしてその偶然は重なることになる。エレベータに乗り、先にチェックインを済ませたAOIチームが上がっていくものの、スゴウもすぐに上がることに。雅やあすか、ペイ達メカニックも同じ階に降りるものの、エレベータの扉が開いた途端だ。目の前にいたのは新条と加賀の二人だった。
「…へ?」
「あー、もしかして同じ階、か?」
「……ッッ」
「んじゃ、どうぞ?」
そうして先に下ろしてもらう一行と、入れ替わりで乗り込む加賀と新条。しっかりと扉が閉まり、動き出したときにあすかは雅に声をかけた。
「…これってチャンスじゃない?」
「…ん…」
「どうしたのよ、まさかここで一緒になれるとも思ってなかったでしょ?しかもホテルの同じ階!」
「そうなんだけど…」
「もぉ!!じれったいじゃない!」
あすかがなぜかぷりぷりと怒っている様にもなってしまうこの現状に雅は意を決したようにミキに連絡を入れることを決めたのだった。