• テキストサイズ

Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第8章 会いたい気持ち


シャンパンも終わり、写真撮影やインタビューへと移っていく。それを見ながらも嬉しそうに笑っていた雅。
しかし、どこか遠い目をしていることに気付くものは誰もいなかった。

ホテルに戻り、いろいろと話をしながら夕食へと向かっていく。

「おめでとう!」
「ありがとう、」

勝者二人をもてなす食事会となった。

「…それにしても今回のレースはどうなるかと思ったけど…」
「ほんとそれなぁ…」
「ほら、裏切りとかもあったし…」
「そうそう、もうどうなるかと思ったよ」

口々に聞こえてくるのは追放にも近い状態でクビになったクルーの事。それでもそれをほっとかないのが修だった。

「…理由はどうであれ、もうそれは済んだことだ。口外はもちろん、もう忘れてほしい」
「あ、はい、すみません…」

そうして進んでいく食事会。そのまま何事もなく、和やかな空気の中で幕も下りた。

「…これで明日から二日間オフか…」

そんな風に思っていた雅。しかしデータのまとめ等多少の仕事は残っている。

「ホテル帰って、少しやっちゃお…」

そう思いながらも少し早くにホテルに戻っていく。この日はあすかもハヤトの部屋に行くから!と連絡があり部屋は独り占め状態。

「…あぁあ…あすかちゃんは今日は個別で祝杯か…」

ぽつりとつぶやく声はノートパソコンを打つ音でかき消されるほどのものだった。

「…ハァ…」

それにしても大きすぎるため息…そう思った瞬間に自分自身でも笑ってしまうほどだった。
そんな時だ。

ヴヴ…

雅のスマホが一瞬震えた。

「え…なん、で…」

そのメールの差出人は、他の誰でもない…

加賀だった。
/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp