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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第6章 心を、止めて


翌日、朝一からテストランを行うと告げ、少し話をするものの、時間は刻々と過ぎていく。

「…以上だな」

そうして打ち切ったのは開始からに時間が経過した時だった。

「…お疲れ様」
「お疲れ様です。」

口々に挨拶を交わして、会議室を後にしていく。雅はというと即座に部屋に戻っていく。

「…今日は…もう寝ちゃお…」

そう呟いて雅はシャワーを浴びてそのままベッドに大分する形になった。

***

翌日、ガレージに向かっていく途中の車内。雅は気の抜けたままの表情だった。加えてイヤフォンを付けているためかさらに誰の声も届かないままだった。
そんな雅の状況を見て、修もため息を吐くだけだった。

「…さ、着いたぞ」

その一言で乗り合わせたメンバー全員が降りていく。スゴウのジャケットを着こみ、イヤフォンを外した瞬間に、今までの空気は何だったのかと言わんばかりに雅を纏う空気が『今まで通り』に戻っていく。

「アンリ?」
「何?」
「どうしても、風見さんのフォローは嫌だ?」

その言葉を聞いて修やクレアは見守り、メカニックたちの空気は張り詰めた。

「昨日で終わったじゃないか!いくら風見先輩のフォローって言っても、それじゃ僕が…」
「大丈夫。きっと風見さんは強いから。」
「それってどういう事?!僕じゃ…僕じゃだめだっていうの?」

メカニックはひそひそと話し始める。しかし修とクレアはまだ割って入ろうともしていない。その場にあすかや車田、牧やペイも顔を出してくる。

「ダメとは言ってないよ。ただ、アンリ?あなたが2位になる事はあなたにしかできないこと。それでいて風見さんと一緒に表彰台に立てる。それに加えてあなた自身の成長にもなる。それだけじゃ不満?」
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