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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第5章 事故、そして…


それを聞いて雅は締め付けられる胸を抱いたままにミキに礼を言って、修とクレアの元に向かっていった。

「あら、どうかした?」
「あの…お二人にお願いがあって…」
「入ってもらえ」
「えぇ、どうぞ?」

ホテルの中で同室を決めている二人。そこに雅は入っていく。

「…あの…すみません…」
「どうかしたの?」

そうしてミキに聞いた病院名を伝える雅。

「…どうかしたのか?」
「あの…そこに行かせてください…」
「だから理由は?理由もなしにとはいかない」
「…ッッ…」
「真坂…」
「雅ちゃん?」
「……無事を…確認したいんです…」

絞り出す様に伝えた理由。それを言えば恐らく反対もされるとは思っていた雅。

「…誰の無事…をだ?」
「…その…」
「AOIの加賀君…」

不意にクレアがその名を出す。

「…そうでしょう?」
「はい…」
「でも行っても会えないかもしれないわよ?いいの?」
「…ッッ…はい…」
「分かったわ。私はいいと思う。修さんは?」
「……ハァ…いって来い」
「いいんですか?」
「いいも悪いも、不安な心境持ったままでこちらのレースに不備が現れても困る。」
「…クスクス…」
「クレア、なんだ」
「そんな意地悪言わなくても。」
「あの…ありがとうございます。」

ぺこりと頭を下げて雅は急いで部屋を後にした。

「…全く…」
「そんな風に言わないでもいいじゃないの。」
「アンリは知らないぞ?きっと」
「そうね、知らなくてもいい事もあるわ?」
「…ハァ…」
「大丈夫よ、彼女なら…」

そう言いながらもふふっと笑って見せたクレアだった。
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