第39章 珍しい嫉妬
その日、ハヤトたちと一緒に大勢で食事をしていた。珍しくもそろったメンツでわいわいと過ごしていた。
「にぎやかだな」
そんな時に雅の背後からとんっと肩に手を回しながらも声をかけてきたのはザガットだった。
「…よ!ブリード」
「ザガット、どうかしたか?てか、お前もここで?」
「あぁ。たまにはと思ったら大勢でわいわいしてんのが見えてよ?」
「…てかその手放せ」
「おっと、失礼、お嬢ちゃん」
「ザガット…」
「そんなにカリカリすんなって。」
「…」
「にしても、ブリード、早々にやらかしてんな」
「何もやっちゃいねぇよ。ただ、こいつらの作るマシンがいいだけだ」
「…お前の腕あってだろ?」
「まぁな?」
「…否定しないんだ」
「すると思う?あの加賀が」
「…だよね」
そう話しながらも少しずつ表情が硬くなっていく加賀。それから直にザガットが居なくなったものの、どことなく加賀はふいっと横を向くことが多かった。
食事も終えてそれぞれが戻っていく。バイクの後ろに乗せて家に帰れば玄関入ってすぐに後ろから雅は加賀に抱きしめられた。
「…城…?どうかした?」
「…どうかしたって…本気でムカつく…」
「え、私何かしたっけ…ごめん…気付いてない…」
「ッッ…違う…」
そう言えば腕を緩め、雅の体をくるりと反転させればトンっと壁に押し寄せ、腕を付く。
「…ザガットもロベルトも…勝手に触りやがって…」
「…ロベルトは解るけど…ザガットさんは…マシン触ってないんじゃない?」
「…雅だよ、触られてんの」
「…あ、そか…」
「簡単に触れてくる…」
するっと肩から腕に触れる加賀。その相手の手にピクリと体は自然に反応を示す。