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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第38章 王者の来訪


「……ふふ」
「笑い事じゃねぇって。」
「だって、城の居ない去年でチャンプ取れたからって今年城いるのに、同じで取れるわけないって…」
「…雅…そっち?」
「え?フィル、何で?そうじゃない?」
「いや、雅…きっと加賀の怒ってる理由ってそれじゃない」
「え?あ、…じゃぁ…なんで?」
「勝手に触れるなって言ってたし、なぁ?城」
「…うるせぇよ」
「…マシン、確かにそうだよね。グレイやフィル、リックならまだしも…知らない人に触られるのは嫌だもんね…」
「…クスクス…そうじゃない」
「フィル?」
「たく、いつまであんたは鈍感な訳?」

そうアンリに背後から話しかけられた雅。

「…へ?なんで?」
「そこまで来ると逆に加賀がかわいそうになる」
「…待って、アンリ?どういうこと?」
「こりゃ、ある意味大変だな、城も」
「……ハァ…」

くしゃりと前髪を掻き揚げた加賀だったものの、その目は完全に笑って等いなかった。

「…どっちにしても、だ。」

雅の腰に腕を回してグッと抱き寄せれば加賀はそっと雅の頭に手を移し替えて髪をなでる。

「…売られた喧嘩は買うとするか」
「買う必要ないと思うよ?」
「いんや、きっちりと釣り返さねぇとな」
「おつり…?」
「当然、俺は俺のやり方で返す。」

そう言って笑うその表情をハヤトは久しぶりに見たと言わんばかりに小さく笑っていた。
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