第4章 2人きりの時間
修に頭を下げ、再度会場入りした雅。時間も過ぎていき、ポイントトップ3が壇上に上がっていく。そこには加賀、ハヤト、ランドルが並んでいた。
「…すごいや風見先輩…やっぱり…」
「アンリ…」
「だって、現状1位ですよ?」
「そうだね、さすがだよ。風見さん…」
「加賀さんもでしょうし、」
「私にしたらみんなすごいと思うよ?もちろんアンリもね?」
「おだてたからって何も出ないし。」
「おだててないよ。本音だよ?」
フッと笑いかける雅にアンリはきゅっと唇をかんだ。
「…すごくなんかないじゃないか…今の時点であそこに立てないなら…」
「そんなことないよ。レースなんてこれから先どうなるかわからない。」
「そうかもしれないけど…」
「ね?」
笑いかける雅に『ん、』と小さく返事をするアンリだった。それからインタビューを受けて壇上から降りてくる三名。それぞれの所にまっすぐと向かっていく三人だったものの雅は他の誰でもなく加賀の事を見つめていた。
「だぁからさ?雅、」
「え?」
「告っちゃえばって何回言ってるんだよ」
「勇気とか…」
「勇気とかなんだって言ってたら他の人にとられるよ?加賀は一人しかいないんだから…」
そういわれるのは至極当然。そんなところにあすかとハヤト、そしてランドルが加わった。
「…おやおや、これは…」
「ふん」
「ランドルさんもこんばんわ」
「あぁ、それにしても相変わらず君の所のそいつは礼儀がなっていない。」
「それもそうですけど、…挨拶は?」
「するわけないだろ?」
「こいつ…ッッ!」
「ランドル、そのくらいに…」
「たく、フロイラインあすかがいるから…多めに見てるというのに…」
「それはどうも」
そんな風に言葉を紡ぐランドルの事を時っと見つめていた雅の視線に気づいたランドルは声をかける。