第37章 決勝の行方
すこししてコース上からマシン以外が消えていく…
「始まるか…」
そしてオープニングラップが始まる。そして最終コーナーも周り、各自位置に着くと同時に雅はアンリに話し出す。
「…アンリ?Good lack」
『…クス…You too』
その短い会話が行われてレッドランプからグリーンに変わる。
『各車一斉にスタート!!真っ先に飛び出したのはやはり風見ハヤト!!そして次いでグーデリアンだ!!そして…おっと!アンリクレイトーがいいスタートだ!!』
場内に響くアナウンスには耳も貸さず、雅はじっとモニターを見つめながらも嬉しそうにアンリのラップを見ていた。
「クレアさん、」
「なぁに?」
「ガーランドって、何か変わってますか?」
「何かって?」
「えっと…AI方面?」
「変わってないわよ」
「ありがとうございます。…・・アンリ?」
『何?』
「焦りすぎ、そんなに最初から焦って飛ばさなくてもガーランドは解ってくれるよ。」
『焦ってない』
「じゃぁ力み過ぎ。」
『……やっぱりあんたがいると耳元が騒がしい』
「悪かったわね」
そう話している二人。雅がいるというのもあってだろう。クレアは一歩下がってみていた。そんなクレアに加賀は声をかける。
「…なぁクレアさん?」
「何?」
「あいつって…いつもあぁだったんですか?」
「そうね、ここにいるときはあんな感じよ。」
「…そうですか…」
「あら、どうして?」
「いや…」
「もしかしてあなたの無線にはあまり入ってこないって感じかしら?」
「まぁ。」
「それは加賀さん、あなたが言わなくても自分で処理できるからよ」
「…にしても、あれは少し妬けますね…」
少しばかり苦笑いにも似た様子で加賀はじっと雅の姿を見つめるのだった。