第37章 決勝の行方
翌朝、早くに目を覚ました雅は寝返りを打つ。目の前にある加賀の背中にきゅっと巻き付くように腕を回した。
「…城…」
キュッとTシャツを握りしめた。無駄のない筋肉質な背中…それにもしかしたら自分よりも細いのではないかと錯覚するくらいの腰…
「…ン…」
「あ、ごめ…」
「どうかしたか…?」
「ううん…早くに起きちゃって…」
「…そか…今…何時?」
「五時半くらい…」
「…いうほど早すぎる事もねぇ…」
体の向きを反転させれば加賀も雅を抱き寄せた。
「…寝れねぇ?」
「そんな事はないよ…起きちゃって…城の背中あったからぎゅってしたくなっただけ…」
「…いくらでもできるだろうよ…」
「そうなんだけど…」
「城…」
「ん?」
「好き…大好きよ…」
「クス…どうした」
「言いたくなっただけ…」
その返事と言わんばかりに加賀は雅の唇にキスを落とす。ベッドから降りれば早い朝食を済ませ、支度をはじめていく。
「…ン…!」
「結果…どうなったかな?」
「ハヤトがポール。グーデリアン、ランドル、新条だな」
「あ、そうなんだ」
「知らなかった?」
「見ないどこって思って…」
「言っちゃダメな奴だったじゃね?」
「ううん?そうでもない」
「そう?」
話をしながらもゆっくりとした時間を過ごした二人。昨日の事を思い出した雅はどうしても口元が緩む。
「…何、どうしたっての」
「あ、昨日…」
「昨日?」
正面からコツっと凭れる様に巻き付く雅。
「…ほら、結婚しようって…思い出してた…」
「グランプリ取れたらって話だけど?」
「とれるよ…きっと…」
「まぁ、俺としてはすぐでもいいんだけど…一応けじめっつぅか…」
「へ?」
「……聞き流していい…」
「むり…」
グッと巻き付く腕に力がこもる雅。