第30章 初めての買い物
「ただい、まって……」
「おかえり」
「速かったね、さすが!」
「俺一人だから飛ばせるだろ」
「飛ばさないでくださぁい…」
「ん?心配してんの?」
「うん」
そうしてひとまずベッドが来るのをまた二人。午前中に来る予定にしていたのだった。
ピンポーン
「来たな」
玄関に出れば運び込んでもらう。エレベーターがある為多少は楽に運び込まれる。
「…ここで?」
「はい、お願いします。」
部屋を指定すれば、そこで作り出す。時期に完成すれば一緒に届けてもらったマットレス、布団を袋から出す。
「…コレ、すっごい圧縮」
「まぁ、夜には大丈夫と願いてぇところだけど…」
「本当にね」
そしてキッチンに立つ雅。カウンターキッチンの為、部屋も広く見え、加えてずっと雅のあこがれでもあった。
「…本当にかわいい…」
「なんかいいな」
カウンターを挟んで立つ二人。テーブルが小さいのでも一つ欲しいなと話に出れば確かに!と納得して居た。
「後は椅子?」
「だな。ソファも居るだろうし。」
「テレビは?」
「意外と居るの多いかもな」
「でも部屋にあるのだけでも助かると思うよ?」
「それもそうか…」
そうして何を買うかメモしていく二人。初戦までにはまだ日にちもあるのが救いだった。
「…でもすぐに来ちゃいそうだね」
「そういうもんだろ、しっかりと休みになるだけいいさ」
「でも皆マシン見てくれてるだろうし…・・ねぇ、城君?」
「んぁ?」
「つかぬことを聞くんですけど…」
「なんだよ」
「インディでのマシンって…」
「あるよ」
「あ、ですよね」
「ないって言ったらどうするつもりだったんだ?」
「困るよなぁって…」
「とはいってもちょーっと型も古いけどな」
「勝てる気、しない?」
「まぁ、どうだろうな」
そう話している時だった。加賀のスマホに連絡が入る。