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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第4章 2人きりの時間


「…後は?」
「あとは…えっと…」
「じゃぁ俺からも」
「あ、…はい」
「俺の事苦手じゃないってこの間、言ってたけどよ?」
「はい」
「俺の事結構避けるよなって思って…」
「え…・・っと…避けてないです」
「ん、それはさっきの質問攻めでわかったんだけどさ?」
「…はい」
「どうもしっくりしなくて…って、おい!」

ぐいっと腕を引かれてよろける雅を抱きとめる形で道路淵から身を引かせた加賀。

「…たく…あすかちゃんの言ってた通りだ。」
「えと…か、がさん?」
「おっちょこちょいで目が離せねぇ…」

ゆっくりと肩を押し戻す様に加賀が雅を離せば、真っ赤になる雅の顔を覗き込んだ。

「事故って入院させましたなんて知られたらスゴウのオーナーさんに何言われっか」
「…ッ…すみません、危なっかしくて…」
「いんや、別に?」

そういえばするっと手を繋がれた。

「こうしてりゃ少しは問題緩和ってか」
「…ッ…」
「あ、わり…嫌だよな。」
「…嫌じゃ、ないです。」

離そうとする加賀の指を求める様に雅はきゅっと力を少し込めた。それにこたえる様に加賀も『ん、』と小さく返事をしてそのまま歩き出す。

「…で?何か見たいものとかは?」
「本当に、あんまりなくて…というか…」
「ん?」
「加賀さんと一緒に居られるなら…ッッ」
「俺?」
「…あ、その…忘れてください…」
「ま、光栄だな」

フッと笑う加賀に体中の血液の温度が1、2度上昇する感覚にさえ陥っていく雅だった。
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