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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第28章 幸せな時間


一階のフロント前に向かえばキーを預ける加賀。そこで引き留められていた。

「…どうしたんだろ…」

雅も聞けば何やら届くように頼んでいたバイクが届いていると言う事だった。

「…ちょうどいいや」
「城君?」

そういえば加賀はスタッフに連れられながらも受け取りに向かい、雅を後ろに乗せた。

「…んじゃ、行くぞ?」
「ん」

大分加賀との同乗にも慣れた雅。きゅっと巻き付き、発進していく。
頬を通り過ぎる風がどこか心地よくも感じる位のスピードで加賀も走っていくため、雅は安心して任せていた。

***

どれくらい走ったか、一軒の店舗の前で加賀はバイクを停めた。

「よっしゃ、着いたぞ?」
「ん」

そう短く会話をすればバイクから降りきゅっと加賀の服の裾をつまんでみる雅の手をそっと掬い取る。

「…つなぎゃいいだろ…」
「ッッん…」

そうして中に入っていく。貼り出されている間取りを見ながらも価格、そして便の良さ、色々とみていく。

「…ここなら買い物とか、レースの度に動きやすいけど…」
「インディとかだとよくわかんないんだけど…聞いてもいい?」
「ん?」
「やっぱり移動とかもあるんだよね?」
「まぁな?でも賞レースって言われたりするのもあるからよ?同じ場所でってのもあるけど場所変わったりとかもあるわけよ」
「そっかぁ…」
「っそ」

しかし、雅は今になって一つ重要な事に気づいた。

「…ま、って…城君…」
「んぁ?どうかした?」
「私…確かにスゴウの時のお給料貯めてたのもあるけど…それでも毎月の家計費とか…どうしたらいい?!」
「…プ…クスクス…いまさら…?」
「ごめ…ッッ」

一気に焦りと不安が襲ってきた雅。そんな相手を見ながら加賀は一つ笑った。
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