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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第27章 新しい新境地


こうして四人はアメリカに向かってとびだった。

「で?女王様と何話してたんだ?」
「まぁ、色々とな」
「そうか」
「そういえば加賀?」
「ん?」
「家は?」
「あー、確かに借りてるのだと1Kでもよかったからな…」
「あ、だとしたら私はどこか探すよ」
「バカ言ってんじゃねぇよ。」

フッと声のトーンが1トーン下がった加賀。キュッと握る手に力がこもれば指を絡めていく。

「…一人暮らしなんかさせるかよ」
「でもそれじゃ…」
「部屋探せばいいだろ。」
「簡単に言うけど…!」
「何とかなる。だろ?グレイ」
「ハァ…まぁ、お前なら何とかなるだろうけどな…ブリード」
「だぁから、ブリードじゃねぇって…俺は城太郎だ」
「…たく…言い出したら聞きゃしねぇ…」
「じゃぁ、探すとき一緒に見てもいい?」
「あぁ、なら一緒に行けばいい。」
「ホテルは?どうするんだ?」
「まぁ、とりあえずついて二日くらいはとってもいいだろ。」
「グレイ、僕たちは?」
「俺のとこにくりゃいい。お前さん一人ならなんとでもなる部屋はある。」
「分かった。ありがとう。」

そうしてフィルの部屋は確保できた。

「…とりあえずは…」
「時差も出るだろうから、寝てろ」
「ん…ありがと…」

そうして肩に凭れるものの、なかなか寝付けないでいた。
不安もある、これからチームであるのは間違いないが、自分にうまく行くのだろうか…飽きられたら…そう思うだけで眠りに付けなくなっていた。一時間ほどした時だ。

「寝れねぇか?」
「…城君…」
「心配いらねぇよ。これからの事も、やることは一緒だ。レースして、一緒に暮らして、それでまたレースして…その繰り返しだ」
「…ん、」
「で、嫌になったら…」
「……大丈夫だよ、嫌になったりはしない」
「…クス…そうか?」
「ん。逆に城君に嫌われないかだけ…」
「それこそ心配することじゃねぇよ」

二人だけの会話のはずだった。すべて寝ていると思っていたグレイやフィルニ聞かれているとも知らずに二人は小さく笑い合っていたのだった。
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