• テキストサイズ

Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第25章 加賀の決断


全部雅が過去を話し終えたころにはもう時間もだいぶ過ぎていた。

「…悪かった…」
「城君が謝る事じゃないよ、私がしっかりとして無かったから…」
「そんな事はないだろ…」
「…ッッ、だから…城君が挨拶にって言ってくれたことは嬉しいの、すごく…嬉しかった…でも必要ないんだ…」

どこか寂しそうに、しかしそれでも吹っ切れた様子で雅は加賀に笑いかけた。

「…わかった…話してくれてありがとうな」
「ううん…こんなタイミングでごめん…」
「そんな事、ない…」

抱きしめて加賀はそっと頭を撫でた。そっと体を押し戻して雅は俯いたままに加賀に伝える。

「…今度、またいつかでいいから…城君の話も聞きたいな…」
「あぁ、そうだな…」
「今日はもう…帰るよ…ゆっくりと城君も休んで…?」
「待って…」

そういうと手首を捕まえる加賀。

「…最後に一つだけいい?」
「何?」
「…バレたってな」
「え?」
「俺らのチームだけじゃなく、」
「…そ、うなの?」
「って、ミキちゃんから聞いたぜ?」
「…どうして?!」
「どうしてって、そりゃアンリが暴走してなりふり構わず口走ったからって聞いたけど?」
「…ぁ…」

思い当たる節があった。それでもその時にはそんなの関係ないほどに加賀の事が気になっていたため、気にしていることも無かったのが本音だった。

「…なんか…本当にごめんなさい…」
「大丈夫。ま、俺的にはこれで雅に手を出す奴も居なくなるってのが解ったし?」
「…手を出すって…!そんなことする人なんかいないよ」
「そうでも無いぜ?」

そう言ってそっとベッドから立ち上がる加賀。
/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp