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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第24章 知らされる現実


何がどうしてこうなったのかもわからないし、本来なら一般人が立ち入れる場所でもないことは解ってた。そこで見たのがしっかりと立っていないとそれこそ吹き飛ばされてしまうくらいの風圧、それに熱気があふれているところだった…

クレアさんが連れてきたっていうだけで誰も何も言う事はなかった。レースが終わってようやく気付かれたっていうのもあったりするんだけど…

『あなた、もしよかったらここで一緒にお仕事、どう?』

そういわれた。仕事もなくなってた。貯金もない…何も…今の自分には残っていないって言ったのに、クレアさんは笑っていってくれた。

『あなたって存在がいるじゃない』

それだけで…着いて行こうと思った。苦しかった…真っ暗で…どうしたらいいのか解らない…そんな時間が続いたのに…救ってくれた…

メカニックも当然できない、経営も出来ないし、経理もできない…・・・何もできない、何も取り柄なんてない…そんな私を必要とする意味って何ですか?…そうクレアさんに問いかけた…

『あなた、お話しするのは好き?』
『お掃除とか、あとは、…そうね、誰かの傍でその人の事を見守る役目とか』

そんな事でって思った…でも、それなら自分でもできるかもしれない…そう思ったの。それでアンリの付き人っていうのかな?サポート係になったの。

それからお母さんに連絡を取った。世界中を連れまわすからって言われて、オーナーとクレアさんが話をしたいからって…その時は話し合いに応じてくれたんだけど、もうひどく荒れた状態で…

『この子をどこかに連れて行ってくれるならどうぞ勝手に』

それを笑って言い放ったの。
お給料の半分以上を振り込めって言われたけど、オーナーがその必要はないって言われた。そうしたらお母さん…

『だったらもううちの子じゃない!勝手にしろ!もう二度と顔を出すな!』

って…それが最後の言葉だった…
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