第24章 知らされる現実
比べられる人生から解放されたと思えば、今度は『早く出ていけ』という視線…
いつからだったかな…
家にいることがすごく億劫になった…バイトで出来る限り家にいる時間をなくしていった。高校は卒業したけどそれ以上は出せないからと言われたから大学には行っていなくて…
仕事を探して…それでも就活なんてうまくなくて…自暴自棄になったこともあった。それでもその時働いていた時の上司がすごくいい人で…長時間でもいいならっていって働かせてくれた。いろんな差し引きがあってもそれなりに生活は出来て…
でも……貯金していたお金が100万貯まる頃…そのお金が消えていった…
お母さんが…育ててやった恩返しだと言って全部奪っていった。連絡を取ろうとしても話し合いになんてならなくて…
そのタイミングで不幸って重なるものなんだ…社内での不正利用が問題になって、その罪をかぶせられたの…
唯一信じてくれた友人もいたんだけど…私は仕事を失った…
どうにもならなくて…いっその事死んだほうがましなんじゃないかって…そう思う様になってた…
でも、その友達が誘ってくれたのがサイバーのレースだった…
チケットが偶然取れて、一緒に行く人が都合悪くなったからって誘ってくれた。それでこの世界に足を踏み入れた…
そこで道に迷って…どうにもならなくて…
今思えば関係者のみの所にいたんだよ…そりゃ止められちゃうって話で…なんで止められなかったのか不思議なんだけどね…?帰る道も解らなくなって…友達に連絡しようとしても連絡つかないわで…
そんな時に声かけてくれたのがクレアさんだったの…
優しい顔で、声かけてくれて…
『レースは初めて?』
帰る道が解らなくなったって言って教えてもらったんだけど私、誰かに笑いかけてもらう事がその時本当になくて…座り込んで泣いてて…恥ずかしい話なんだよ…
『こっちにいらして?』
そう言って手を引いてスゴウのガレージに連れて行ってくれた。