第24章 知らされる現実
♢ Side 雅 ♢
いつかは言わないといけないって思ってた。城君が話さないから、話してくれないからっていうわけじゃない…私が『嫌われてる』っていうのを知られたくなかっただけだと思う…
私には二つ上のお姉ちゃん、『朱美(トキミ)』がいる…
そのお姉ちゃんは本当に優秀だった。成績もずっと学年で3位以内に入ってるし、スポーツだって万能…
それでいて私は成績は中の中、運動も得意なものなんて特になくてどれも平凡。
生徒会に入って内申点もばっちりなお姉ちゃんに対して、興味のある事に集中して呆れられることばかり。
容姿に至っても雲泥の差。本当に美人で、きれいで…モデルになったら?!なんてよく言われていたにも関わらず、絶対にその世界には足を踏み入れなかった…
私の容姿は…といえば事故死した父にそっくりだった。父はイケメンの部類だったと思う。だけどその女版が必ずしも美人とは言えない。ほとんどかわいいとか、美人なんて賞賛は受けたことがなかった。
そんなお姉ちゃんが…あの日、置手紙をして出ていった…
『駆け落ち』っていうもの…お姉ちゃんが大学に入って時期の事だった。お母さんには言ってなかったけど付き合ってる人がいて…どんな人かは解らなかったけどその人の話をするときのお姉ちゃんはすごくかわいかったのを覚えてる…
でもそれがお母さんを怒らせた…今まで優秀で、反抗期なんてなかったから余計に…しかも残ったのが私だったから…
どうせ出ていくなら雅ならまだよかったのに…
そんなセリフは何度となく聞いてきた。必要とされていないことなんて誰に何を言われなくても自分自身がよくわかってる。