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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第20章 今日子の想い


翌日、それぞれのチームがガレージに入ってくる。スゴウやAOIも同様だった。マシンが入り、その場での整備が始まる。そんな時だった。

「おはよーぅ」

気だるそうな様子で加賀がガレージに入ってくる。その首には昨日もらったばかりのマフラーがかかっている。

「加賀くん、おはよう。」
「よ、おはよう、ブリード」

今日子やグレイ、フィルの声も飛ぶ中、少しだけ目を細めて今日子は加賀の顔を見た。

「珍しいわね、あなたがそう言うの。」
「…そっか?」
「いつもしないじゃない?というより、私は初めて見た感じだけど?」
「ま、だろうな。」
「ハァ…まぁいいけど。」
「彼女がくれたからな、そりゃ付けるだろ」
「そうよね、かの…じょって…」

加賀の言葉で今日子はもちろんその場のクルーの手が一瞬止まった。そう、グレイとフィルを除いて…

「まって、まちなさい、加賀くん!」
「何だって」
「彼女って言った!?今」
「ん?…あぁ、言ったけど?」
「聞いてないわよ!」
「ま、聞かれなかったしな」
「…ッッ」

飄々とした顔で答える加賀。どうしたものだと言わんばかりの今日子の表情を気付いてかどうかはさておき、加賀はピット入りした彩に気付いたものの、そのまま話を続けた。

「別に彼女作ったらいけないっていう契約はなかったろ?」
「それはそうだけど…ッッ」
「で、結果も出せたらいいんじゃね?」

そう続けた。そんな加賀を今日子はトランクルームに呼び出した。その間もピット内はざわざわとしていた。

「もしかして彼女って…彩さんか?」
「にしちゃ…あの表情だぜ?」
「あの雰囲気からしてオーナーって感じじゃないし…」
「……誰だ?」

誰も加賀の相手に、予想すらつかなかった。
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