第18章 二か月の空白と、再会
そして翌日からは完全に別行動となる。しかし加賀にも言われたとおりにスケジュールはそれぞれぎっしり詰まっていた。
それでもチーム内では休暇も当然ある。とはいえ、チーム違いの加賀と会う事なんかは一切敵わないのだった。
「…雅ちゃん、明日買い物なんてどう?」
そうあすかに誘われた。
「買い物?!行く!」
珍しくも食いつき気味に雅は返事をした。
「…私も本当はいつ誘おうか迷ってたの」
「どうかした?」
「いいお店、よくわからなくて…」
そういうとぎっしりと書かれたメモを見せた。
「…コレ、ごめんなさい?何?」
「お店のリスト…でも…それでもよくわからないしよくよく調べたら高かったりとか…」
「何を買いたいの?」
「…わかんないぃぃ…」
「どういう事?」
そうして雅はゆっくりと話し出す。そう、二か月後の加賀へのクリスマスプレゼントの相談だった。
「…クス…何がいいか聞いてみたら?」
「それじゃびっくりさせれない!」
「…んー、そうだなぁ…」
「アクセサリーとかは…邪魔になっちゃうだろうし」
「あら、意外とそうでも無いわよ?」
「え?」
「ハヤトもレース中ネックレスしてる時もあるし」
「…うそ」
「本当よ」
「……ネックレス…」
「いっそお揃いにしたら?」
「ぇ!?」
「だってただでさえ離れてるんだから…」
「…そうなんだけど…」
そんな時、フッと思い出された言葉…
『しょーもな』
そう、新条の誕生日プレゼントを渡した時の反応だった。
「…しょうもないって思われたら…」
「え?もしそんなこと思うなら目の前で捨ててやりなさい!」
「…え…クス…そっか…」
そう言ってリストアップし、翌日向かう事にするのだった。